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結婚指輪デザインの問題点⑤

2018年1月4日指輪

なぜダイヤモンドが落ちるのか?

~結婚指輪デザインの問題点

■まずは爪のデザインに要注意!

最近のデザインの流行として、ダイヤモンドを固定する爪を細く短くしたり、本数を減らしたりといったデザインが好まれるようになりました。爪をより細く作れば繊細な見た目になりますし、それだけダイヤモンドの存在感は増します。ですが明らかに強度は落ちますからちょっとしたショックで曲がりやすくなるのは間違いありません。

 

また、ダイヤモンドを左右から挟み込むようにしたデザインに人気が集まったため、同じ構造を持つ指輪が数多く作られ、出回っています。これなどは、ダイヤモンドを2ヶ所で固定しているだけですので、わずかな歪みや曲がりが起きただけで、ダイヤモンドが落ちる危険が非常に高いのです。

 

さらに長い間使っているうちに、指輪の地金はわずかずつ摩耗していきます。そのためダイヤモンドを押さえている爪の部分の厚みが十分でないと、使い続けているうちに爪がすり減り、やがて強度を失って欠け落ち、同時に石が外れてしまう、ということにもなりかねないのです。

 

こんなリスクの高い指輪が、もてはやされているのはなぜでしょうか? そこにはメーカー側の事情があります。

 

ここ数年というもの、貴金属の地金相場が高騰を続けています。「指輪の材料費が値上がりしている」という状況です。ですからメーカーとしては原価を抑えるために、できるだけ材料を節約したいと考えます。そこで登場するのが、今にも曲がりそうな細いリングや、頼りなさそうな小さな爪を持った指輪たちです。もちろんこれでは「曲がり・歪み」「石落ち」のリスクは高くなりますが、それも「リングは細いのが素敵!」「爪は小さいのが今風!」などと、華奢であることが流行なのだという風潮を作ってしまえば、売れ行きを心配せずに済みます。

ですがそれは、メーカー側の事情に過ぎません。ある日、気づいたら指輪のダイヤモンドが消えてなくなっていた……。そんなことが起こったら、ショックと悲しみはいかばかりでしょうか。

 

指輪にはめてあったダイヤモンドが外れて落ちてしまう。ほとんどの方が「そんなことってあるの?」と思われるでしょう。ですが現実に「石落ち」は起こりますし、それを完璧に防ぐことはできません。

 

ですからまずは、石落ちの危険があるデザインを避けることです。オリジナルデザインのオーダーメイドならば、なおさらこのプロセスは大切です。ジュエリーショップで専門家に相談し、歪みや石落ちの心配がないか、しっかり検討するようにしましょう。良心的なショップであれば「このデザインですと石落ちのリスクが高まります」などと教えてくれますし、デザイン性を保ちながら石落ちの危険を避けるにはどうすれば良いか、さまざまなアドバイスをくれるはずです。またダイヤモンドの大きさと形状にぴったり合わせて枠や爪を作ることで、石落ちの危険を低くすることもできます。

 

もうひとつは、一年に一度くらいのペースで「指輪の健康診断」を受けることです。リングそのものはもちろん、石に割れや傷がないか、石を留める爪や枠に曲がりや緩み、摩耗などがないか。コンディションをチェックするのです。これだけで、石落ちのリスクをかなり下げることができます。

 

世の中に「絶対」ということはありません。どんなに強度の高い指輪を作ったとしても、石が落ちてしまう可能性は決してゼロではないのです。それを理解したうえで指輪をデザインすることが大切だと、私たちは考えています。