結婚指輪物語
表面加工に隠された秘密・・・
とても可愛いご子息と一緒に、ご家族でご来店いただきました。
ホームページの写真集をご覧いただいことがきっかけで、「こんなに色々なデザインの指輪を造ることができるんだ！」とTANZO.に興味を持ってくださったとのことでした。
膨大な数の写真が掲載されているにも関わらず、丁寧にご覧くださり、気になっているデザインや加工をお伝えくださいました。
えぐり加工・エッジ加工・槌目加工等、お好みのデザインをたくさん見つけてきてくださいましたので、お伝えいただいた加工が入ったサンプルを実際にご試着いただき、お二人のお好みを具体的に絞っていくところからスタートです。
様々なデザインを試着していただくと、最も大事なポイントは、デザインが入っている一部分を正面と決定しないほうが良い、ということがわかってきました。
デザインが正面に決まっているタイプですと、指輪が回ってしまったときにデザインがひっくり返ってしまいます。
「せっかく入れた加工が手の平側にきてしまってはもったいないよね」と仰ってくださいましたので、ぐるっと一周、どこが正面になってもデザインが入っている指輪からデザインを絞っていくことになりました。
サンプルを厳選して見ていく中で、お二人が揃って「これいいね！」と仰ってくださったのが、ライン加工とマット加工を組み合わせたデザインでした。
波打つようにはしるライン加工によって鏡面部分とそれ以外が区切られメリハリの出る、おしゃれなデザインにご決定。
ただ、お二人のデザイン決めは、これで終わりではありません。
表面加工を変更して、マット加工からスクラッチ加工でお仕上げすることになりました。
実は、この変更には深い理由がありまして、なんとスクラッチ加工がお二人の大切なものを表現しているのです。
それは・・・・・ご子息です！
ご子息のお名前の漢字に“月”が入っているのですが、「スクラッチ加工って月面みたいに見えるよね」というお話から、お二人の指輪にお入れすることが決定いたしました。
とても心が温まる、素敵なアイディアですよね！！
肌なじみの良いコーラルゴールドでお造りした柔らかい印象のご結婚指輪は、優しい空気をまとったお二人にとてもよくお似合いでした。
想いがたくさんこもった指輪をお造りさせていただくと、この仕事をしていて良かったと心から感じます。
ご家族でメンテナンスに来てくださる日を楽しみに、新宿店でお待ちしております。
