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金属の “ス“(空気孔)が弱さの元

2018年1月4日鍛造製法

金属の強さの鍵、「鬆(ス)」

皆さんはなぜ鍛造には粘りがあり、強く、重宝されるのかご存じでしょうか?金属を鍛えるというイメージで、たしかにハンマーなどで打ち付けるのだから、それはもう高い強度をもつはずでしょう。今回は、金属の強さの鍵を握る「鬆(ス)」に焦点を当てます。鋳物の作り手にとっては頭を悩ませることもある鬆は、いったい何なのでしょうか。

 

「おにぎり」と「もち」で連想する

まず、アルミやステンレスなどの金属には鬆と呼ばれるものが存在することがあります。古くは「巣」と表記されることもあったこのスですが、その正体は水素や酸素、窒素などのガスです。鋳造では製法の性質から鬆、つまり空気孔が生じる可能性が高くなります。だからなに?とお思いの方も多いことでしょうが、これは基本的には金属の欠陥なのです。

鬆について、わかりやすくたとえたものがあります。それが「おにぎり」と「もち」の例です。鋳造によって作られた金属は空気を含み、ふっくら、柔らかいおにぎりのイメージに例えることができます。このときの空気が鬆にあたります。一方で、鍛造によって鍛え上げられた金属には空気の入る余地はなくまるでもちのような強さと粘り気が実現するのです。

 

そもそも、どうして鬆が発生するのか

鬆ができる主な原因は、鋳造の際の熱収縮や空気の巻き込みによるものです。つまり熱々の金属が冷却され、固まる時に空気を巻き込んでしまっているのです。すると金属の粒子は粗くなり、細部まで調べるとスカスカの状態になります。

一方で鍛造において鬆はほとんど発生しません。(発生という表現はそもそも間違っているかもしれませんが、)金属を鍛え強度を向上させる製法では、鬆が消えることはあっても生まれることはありませんよね。

 

金属加工においては鬆が弱さの元

金属において、その強度の違いは命取りです。鬆が弱さの元といっても過言ではありません。もちろんガス抜きをよくして発生を防ぎ、鋳造品の持つ柔らかさを存分に生かした品もたくさん存在します。

しかし、とくに量産される鋳物においては鍛造のような強さや粘り気を欠きます。空気がランダムに入り強度にバラツキが出ることもあります。つまり、鬆があるということがそのまま弱い金属であると解釈して間違いではないのです。

 

鍛造の指輪を選ぶわけ

ここまで鬆について学びましたが、いかがでしたでしょうか。金属の欠陥、という表現を耳にすればきっと、大切な指輪こそ鍛造がよいと思うのではないでしょうか。これから指輪を選ぶ際には、参考にするのもよいかもしれませんね。

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