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日本の誇り、鍛冶屋と刃物

2018年1月4日鍛造製法

いろいろな鍛造職人

金属を鍛錬して製品をつくる人のことを、旧くより鍛治(かじ)屋、鍛冶職人とよびました。刃物専門の職人、包丁鍛冶、はさみや鎌専門の鍛冶、農具をつくる「野鍛冶」、大工道具、木挽鋸の鍛冶など、道具の種類に応じて、鍛治屋もこまかく分かれていました。

中でも刀をつくる職人を「刀鍛冶」「刀工」と称し、現代でも刀匠のもとで修練を積み、文化庁の研修を修了したものだけが刀工と名乗る資格が与えられるほど、厳しい修行が必要です。刀鍛冶は、重要無形文化財保持者を有する伝統工芸の世界なのです。

 

海外でも人気の刀鍛冶

最近、海外では、日本の刃物が人気を集めています。「武士道」は外人にとって、憧れともいえる神秘の対象となっていますが、武士道の象徴「刀」への関心も高く、刀鍛冶の製造工程を撮った動画に、海外からのアクセスが増えています。

名のある刀工や刀には、稲荷大明神の化身が作刀を手伝ったとか、「一度鞘から抜き放てば必ず豪雨を呼ぶ」などのさまざまな逸話や伝説が、旧くより語られてきました。銘を冠したものから無銘の名刀まで、美術館や博物館など然るべき場所には、芸術品ともいえる国宝級の刀が所蔵されています。

 

鍛冶の歴史

古代の鍛冶は、銅・銀・鉄など種類別に分かれておこなわれていましたが、しだいに「鍛冶」は、鉄を加工する仕事を意味するようになりました。

中世以前の鉄器は主に浸炭鍛造で、鋼(はがね)と錬鉄(じがね)の区分けがありませんでした。ひたすら鉄を打ち、鍛えて折り返し、火を入れて沸かし付け、また打ち鍛えるといった工程をくり返しながら不純物を除き、かたちを整えていくという作業がおこなわれました。

中世に入ると、製鉄業の発達によって、鋼を得るケラ押し法と銑鉄を得るズク押し法が確立しました。これにより、銑鉄から軟鉄を鍛造する方法「大鍛冶」が可能となったのです。純度が高く加工しやすい軟鉄は、鋼と組み合わせて、まったく新しい種類の刃物がつくられるようになりました。 

 

日本刀の製造工程

 

日本刀の制作には、ほとんど不純物をふくまない「玉鋼(たまはがね)」を使用します。小割りした玉鋼を積み上げて、熱を加え、十分に熱せられる(沸かされる)と、一つの塊になります。ここから鍛錬が始まるのです。

打ち延ばし、折り返すという作業をくり返して何層も重なった「皮鉄(かわがね)」ができるのですが、これが日本刀の強靱さの秘密です。次に、この硬い皮鉄にくるまれる柔らかい「心鉄(しんがね)」をつくります。心鉄が中にくるまれることで、強靱でありながら柔らかくしなる日本刀となります。「折れず、曲がらず、よく切れる」ための極意が、皮鉄と心鉄の組み合わせにあるのです。

さらに素延べ・火造りの作業をへて、刀身のかたちを整えていきます。そして日本刀に命を吹き込むともいえる「焼き入れ」がおこなわれます。耐火性の粘土に木炭の細粉、砥石の細粉を混ぜた「焼刃土(やきばつち)」を、刃にあたる部分に塗り、800度くらいに熱して、急冷。この「焼刃土」の塗り加減と急冷の頃合いが、秘伝中の秘伝という所でしょうか。

仕上げの研ぎと銘切りをおこなって、日本刀は完成です。想像しただけでも、息を呑むような製造工程ですね。刀鍛冶の世界は、単に武器としての刀を製造するという作業を、遙かに超えた芸術の領域だといえるでしょう。