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鍛造芸術の世界

2018年1月4日鍛造製法

いにしえの職人による鍛造芸術

金属を一つ一つハンマーで鍛えてつくりあげる自由鍛造は、大量生産向けの工場で金型などを用いて生産される大型の製品と違い、職人の熟練技を必要とします。旧くより続いてきた鍛冶職人の技は、いずれも創造性にすぐれた一点ものの芸術作品といってもよいでしょう。

かつて職人によって作られた鍛造芸術は、身の回りで使われてきた生活用具がほとんどです。小さいものでは指輪や腕輪などの装飾品、日常生活で使用される調理道具や生活道具、農具など。

また武具、馬具、神具、仏具などでも鍛造品は重要な役割を果たしており、装飾品としても高い価値を持っています。そのほか、看板、門扉、フェンス、鉄格子、建築関係などでも多くの鍛造芸術を見つけることができます。

 

シンプルであること

鍛造芸術の美しさは、まずシンプルで機能的であることでしょう。鍛造品に求められるのが、何より道具としての実用性であったことがシンプルさの一番の理由といえます。

さらに金属をたたき、伸ばし、ねじ曲げる作業をくり返すという鍛造工程そのものが、デザインのシンプルさを余儀なくしたともいえます。しかしその単純で素朴であることが、鍛造品の大きな魅力ともなっているのです。

 

質感の美

次にあげたいのは、鍛造品の質感の美しさ。鍛えられ凝縮された金属のしっとりとした重み、きめ細かさ、金属表面の深みのある艶は、鍛造品のみが持つ奥深い質感です。

 

曲線

また刃物やハサミ、燭台などの生活道具、金属のフェンスや扉などに見られる曲線も、鍛造芸術の美しさの一つに数えることができます。たたき、伸ばし、曲げることのくり返しによって形作られていく曲線には、溶かした金属を型に流し込んで一気に作られた曲線とは、全く異なる趣があります。

型では、同じ曲線を大量に作ることができますが、鍛造による曲線は、たった一つしか存在しません。その瞬間に心を込めて打った曲線は、二度とないものです。その一回きりというオリジナリティが、鍛造品が芸術であることの所以ともいえます。

 

デザイン性

連続模様でありながら、一つ一つがオリジナルな模様の連続であるというところに、人はかけがえのない美を感じます。いにしえの鍛冶職人が作った作品が、今日も色あせず人々の心に美を訴えかけるのは、そこに秘密があるのでしょうか。

鍛造作品のシンプルでありながら独創的なデザイン性も、また魅力の一つ。限られた工程の中で生みだされたデザインであるからこそ、無駄なものがそぎ落とされ、そこには生き生きとした存在感があります。

 

今日の鍛造芸術

今日では、鍛造職人の流れをくんだ個人作家たちが、自由な発想力で鍛造芸術を製作するようになっています。個性あふれる鍛造作品の数々が、世界中で静かなブームをよんでいます。

身につける装飾品はもとより、家具装飾、扉や窓枠など家のインテリア、フェンスやガーデニング装飾として、鍛造作品を取り入れる人が増えています。鍛造作品は、一点ものであるためどうしても高価になってしまいますが、そのシンプルでオリジナルなデザインの虜になる人は多いようです。

日本でも、ジュエリー作家やインテリア作家として、鍛造にたずさわる芸術家が増えてきました。鍛造は基本的にかなり体力を要する力仕事ですが、最近では、女性の鍛造作家も珍しくありません。

照明の装飾、階段の手すり、ドアの取っ手など室内インテリアにおいて、女性独特の曲線美の感覚を生かしたデザインが、人気を得ています。個人の住居ばかりでなく、店舗やオフィスのインテリアとしても、鍛造芸術の需要は高いようです。