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見た目ではわからない?鍛造品と鋳造品

2018年1月4日鍛造製法

大きな違いは強度

金属を成型しようとする場合には、鍛造と鋳造の2つの方法があります。鍛造は金属をたたいて成型していく加工法、鋳造は金属を溶かして型に流し込む加工法です。

どちらの方法でも同じ形の製品をつくることはできますが、たとえ見た目は同じでも、2つの方法には大きな違いがあります。

鍛造品の大きな利点は、何といっても強度です。たたくことで形をつくっていくため、金属内部の結晶が整い、気泡なども圧着されて金属に粘りが生まれます。それに比べ鋳造品は、溶かした金属を型に流し込んで冷やし固めるため気泡ができやすく、厚みの差からできる応力によって強度が下がることもあるのです。

しかしコスト面では、鍛造品が割高となります。鋳造品は、かなり複雑な形状にも対応でき、大量生産が容易なため、比較的安価に製造することが可能です。鍛造品も金型などを使用して大量生産が可能ですが、鋳造品に比べコストが高めです。

 

おもちとオニギリ

鍛造品と鋳造品の違いは、そればかりではありません。さきほど金属はたたくことで粘りが生まれるといいましたが、顕微鏡で同じ金属を加工した鍛造品と鋳造品の断面を比べてみると、密度が全く異なるのがわかります。よくおもちとオニギリにたとえられますが、鍛造は、密度が詰まっていてきめ細かく固まっています。それに対し鋳造は、組織が粗く隙間があいています。

そのため鋳造品は組織がずれやすく、同じ形をしていても、鍛造品に比べると柔らかく曲がりやすいのです。一見同じような指輪に見えても、鋳造の指輪は傷つきやすく、物にぶつけるとすぐ変形してしまいます。

鍛造職人さんは、たたき締められた金属は手触りが違うといいます。鍛えられ圧縮された金属は、しっとりと手に馴染み、重量感があります。また表面硬度も高いため、磨けば磨くほど輝きを増すという魅力があります。

 

コストとデザイン

鋳造品はそれに比べると、質感、輝き、強度の点で鍛造品に劣りますが、大量生産が可能で、安価に製造できるという大きな利点があります。職人の技にささえられる鍛造品は、大量生産が難しく、コストもそのぶん割高に。また基本的には金属を曲げたりたたいたり、削り出したりして制作するため、シンプルなデザインに限られてしまいます。デザインを自由に選べないというのも難点といえるでしょう。

鍛造指輪には、金属の塊をたたいて棒状にしたものを曲げて指輪をつくる伝統的な方法と、金属をプレス機にかけて圧縮したものを機械で丸く打ち抜いたり、削り出したりして指輪をつくる方法があります。このプレス式の製法は、比較的大量生産が可能で、コストをおさえることができます。

 

軟鉄鍛造アイアンとステンレス鋳造アイアン

鍛造と鋳造について比較されるものに、ゴルフのアイアンがあります。ゴルフをする人はよく知っていると思いますが、なかでも軟鉄鍛造アイアンは、柔らかい打感が魅力で、素材が柔らかいためライ角が変えられるのが最大のメリットといわれます。上級者が好むアイアンです。

ステンレス鋳造アイアンは、初心者向けで飛距離の出るアイアンといわれますが、それぞれの特性を生かして使い分けられるのが、ほんとうの上級者といえるのかもしれませんね。